懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






マツダ 1996 デミオ(DW型)


 1996年にマツダから発売された初代デミオ(DW型)です。コンパクトな車体にも関わらず広々とした車内空間を確保し、その高い実用性からマツダとしては珍しくヒット車となり、当時かなり厳しかった経営状態の改善に貢献しました。この初代デミオが提唱した『小さく見えて、大きく乗れる』というスタイルはその後のコンパクトカーの主流パッケージングとなり、現在ではホンダ・フィットを始めとする売れ筋コンパクトがその特徴をさらに熟成させていますね。

 さて、この初代デミオ、きらりと光る新技術が採用されているわけでもなく、さらに当時危機的状況だったマツダのクルマですから、人に自慢できるブランドがあるわけでもありません。しかし『小さく見えて、大きく乗れる』という新たな価値観が受けてヒットしました。

 うちにはこの次の代のデミオがあるのですが、実際に乗ってみると確かに便利です。コンパクトな車体ですから狭い田舎道でもまったく苦になりませんし、後席を畳んだ状態での積載スペースはとても広く、農業をしていながら軽トラの必要性を感じないほどです。特にこだわりがなければこの手のコンパクトカーが一台あれば実用上、まったく不足を感じませんものね。

 この初代デミオがヒットした事例からもわかるように、新しい価値観を提案し、それが受け入れられればたとえ安っぽいクルマであっても、また潰れそうなメーカーのクルマであっても売れるんですよね。今、自動車メーカーの首脳から8月にも終了しそうなエコカー補助金を延長させようという声が上がっているようですが、あの姿勢は何とかならないものでしょうかね。

 とはいえ、初代デミオが提案した『コンパクトでありながら高い実用性』という価値観がさらに進み、『コンパクトでありながら高い実用性、そのうえ低燃費で維持費も安い』という軽自動車やコンパクトカーに人気が集中するようになったのは果たして良かったのか悪かったのか。『大は小を兼ねる』ではなく、『小は大を兼ねる』になってしまったので、よほどの魅力がなければ便利なコンパクトカーから他のクルマへの買い替えなんて考える必要がありませんからね。

 現在自動車メーカーが直面している問題は、円高や少子化や若者のクルマ離れといったものではないのかも知れませんね。

デミオ・GL-X(DW型)
全長×全幅×全高 : 3800×1670×1535mm
ホイールベース : 2390mm
車両重量 : 960kg
エンジン : 直4SOHC 1498cc 100PS

(2012年7月28日)




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