懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






日産 1994 ミストラル(R20型)


 1994年に日産から発売されたミストラル(R20型)です。このクルマはスペインで生産され、ヨーロッパでは1993年からテラノ2として販売されていたクルマが、国内で輸入販売されたものです。きっと当時のRVブームに乗っかるためにはタマ数が多いほうがよいという考えで国内販売に踏み切ったんでしょうね。

 さて、この日産ミストラル、ボテッとして締りがなく、言っちゃ悪いですがあまりカッコよくないですね。ヨーロッパではこういうのが受けるのかも知れませんが、個人的にはちょっと受け付けないデザインでした。RVブームだった当時、パジェロやサーフには及びませんでしたが、日産にはテラノがあり、それなりに存在感を示していたような記憶があります。

 そこへちょっと微妙なスタイルのミストラルを投入、なんだかこのクルマ、私にとっては日産の四駆というよりも、当時何種類かあったいすゞの変り種RVの1台というような感覚でした。このカタログは国内販売された当初のものですが、ミストラルは後にマイナーチェンジされて丸型ヘッドライトに変更されます。丸目となったミストラルはさらに締りがなくなり、案の定、国内販売は終了してしまいましたね。

 国内での販売が終了した後も、ヨーロッパでは販売が続けられました。やっぱりデザインの好みというのは国、地域によって異なるものなんですね。

 今後、日本メーカーだけではなく、世界各国の自動車メーカーが『世界戦略車』という形でクルマを販売していくことが主流となっていくと思います。ポルシェやフェラーリ等は、そのとんがった個性自体が『世界戦略』なのでポルシェらしさ、フェラーリらしさがより増していくでしょうね。ベンツやBMWもどちらかといえばその系統ですので、より“らしさ”が増していくと思います。

 大変なのは個性自体が『世界戦略』とならないメーカーです。こちらはどの地域でもある程度受け入れられるように無難な線でまとめなくてはならないので、“らしさ”がどんどん減っていきます。ミストラルが受け入れられる地域と受け入れられない地域の双方でそれなりに成功するラインって、かなり難しいような気がします。

 日産マーチに三菱ミラージュ、あの手のクルマをいかに低コストで世界中にばら撒くか、ということが自動車メーカーの主要課題となるのであれば、近い将来には中国やインドの自動車メーカーが世界中を席捲しそうですね。今以上に高級車と大衆車の差が開き、極端に二極化したクルマ社会。まあそれはそれで面白そうですね。もちろん私が乗るのは大衆車のほうですが・・・。

日産・ミストラル・Type X(Y-R20型)
全長×全幅×全高 : 4675×1755×1805mm
ホイールベース : 2650mm
車両重量 : 1910kg
エンジン : 直4OHVディーゼルターボ 2663cc 100PS

(2012年3月23日記)




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