懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






三菱 1990 シグマ(F13A/F15A/F17A型)


 1990年に三菱から発売されたシグマ(F13A/F15A/F17A型)です。シグマという名称は従来ギャランのサブネームとして使われてきましたが、このクルマに限って言えばギャランとは独立したセダンであり、ディアマンテの姉妹車にあたります。ハードトップボディのディアマンテに対してセダンボディのシグマ、という位置づけでしたが、ディアマンテに比べてずいぶん存在感が薄かったですね。いや、存在感が薄いというよりも、存在そのものがあまり知られていなかったような気もしますね。「三菱シグマ」と聞いてこのクルマがすぐに頭に浮かぶ方っていったいどれぐらいおられるんでしょうね。

 さて、この三菱シグマ、とても影の薄いクルマでしたが、これでも四半世紀前にはディアマンテとともに(ついでに?)日本カーオブザイヤーに選ばれているんですよね。売れたかどうかは別として、ここまで影の薄いカーオブザイヤー受賞車というのも珍しいですね。限定1000台のランエボ・ファイナルエディションが完売した時点で三菱のセダンはひとまずなくなってしまいました。現在三菱ブランドとして販売されているセダンは日産のシーマとフーガのみ。ほんの四半世紀の間にずいぶん変わってしまったものですね。1990年といえばバブル経済最後の年、その後日本は「失われた20年」と呼ばれる時代に突入していくわけですが、三菱のセダンも「失われて」しまいましたね。

 失われたものがある一方、新たに生まれたものもたくさんありましたね。ウインドウズ、インターネット、携帯電話、スマホ、ネットショップ等々、またクルマの世界ではナビ、ETC、ハイブリット車、EV、FCV、さらには自動運転技術等々。新しい技術によって様々な分野でより便利に、効率的に、そして「人手を煩わせることなく」快適な生活ができるようになってきました。すさまじいスピードでそれらの技術が普及していくので、我々は安価に最新技術の恩恵を受けることができるようになりました。

 ほとんどの分野で「人手が不要」になっていくので、それらの仕組みを作る側とそれらの仕組みを利用する「だけ」の側には大きな隔たりができてきました。この隔たりを世間では「格差」と呼んでいるようです。誰もが仕組みを作る側に回ろうと血眼になっており、2番ではなく1番でなくては意味がない社会がグローバル規模で広がってきているようです。「地球儀を俯瞰する」と、地球上を覆い尽くそうとしている既存の仕組みを全否定し、新たな仕組みを形成しようとしている勢力が様々な地域でテロと呼ばれる活動を起こしているようです。

 三菱シグマが(ついでに)カーオブザイヤーを受賞してからの四半世紀でこれだけ変わってきたのですから、これから四半世紀経った後にはもっと変わっているでしょうね。その変わりようが我々の望む姿なのかどうかは誰にも予想できないことですが、どんな姿になろうとも我々は飯を食ってトイレで出して、夜は布団でぐっすり眠らないと生きていけませんので、最低限、それらは誰もができる状態であってほしいものですね。もっとも、誰もがこの最低限の営みを確保することって、実はとっても難しいことなんですけどね。


三菱・シグマ・30R-SE(E-F17A型)
全長×全幅×全高 : 4740×1775×1425o
ホイールベース : 2720o
車両重量 : 1600s
エンジン : V6DOHC 2972t 210PS


(2015年11月3日)




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