懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






1982 三菱 ランサー・フィオーレ(A155/156A型)


 1982年に三菱から発売されたランサーフィオーレ(A155/156A型)です。“ランサー”という車名は付けられていますが、ご覧の通りミラージュセダンの姉妹車で、ミラージュの特徴であるスーパーシフトも健在です。同時期にランサーEXも販売されており、こちらの方がランタボの影響で印象が強かったため、ランサーフィオーレは「花」というサブネームが付けられていたにも関わらず、「華」はなかったですね。

 さて、ちょっと印象の薄いこのランサーフィオーレですが、実は姉妹車のミラージュとともに国内初となる新技術が採用されていたクルマです。カタログでも“あっと驚く超低燃費”として紹介されていますが、このクルマには状況によって4気筒のうち2気筒を休止させる機能を持った1400オリオンMDエンジン搭載車が用意されていました。最近ではホンダがインスパイア等のV6エンジンで気筒休止を行っていますが、この機能が国内で初めて採用されたのが1.4Lの直4という小型エンジンだったというのはちょっと意外ですね。

 私はこのランサーフィオーレ及びミラージュの気筒休止エンジン搭載車には乗ったことがありませんのでその運転感覚はわかりませんが、後にMIVEC-MDという発展形が世に出されたものの、それっきりで現在は存在していないようです。おそらくあまり効果がなかった、もしくは何か欠点があったということだったのかもしれませんね。このオリオンMDエンジンについてよくご存知の方がおられましたら、その運転感覚等についてご教示頂けたら幸いです。

 ところで、このカタログには10モード燃費が20.0km/l、60km/h燃費が30.2km/lと記載されています。実際のところはどうだったんでしょうね?

 先日、「e燃費」というサイトを見てびっくりしました。このサイトには様々な車種のオーナーが投稿した実燃費の平均が掲載されており、カタログ燃費と実燃費の達成率なるものも記載されていました。

 それによるとエコカーの代名詞、現行型プリウスの実燃費は18.93km/lで達成率は49.81%、期待の新人アクアは実燃費19.79km/lで達成率49.47%。どちらも燃費性能が良いことは認めますが、達成率が50%にも満たないというのはちょっと問題のような気がしますね。状況によって期待する燃費性能が発揮できないことはもちろん誰もが考慮しますが、平均を取ると半分にも満たないというのは、明らかに誇大広告だと思います。ちなみに50%を割っているのはこの2車だけです。ハイブリット車特有の運転方法でないとカタログ燃費に近づけられないのならその“コツ”をカタログにわかりやすく明記すべきだと思いますし、そうでないのならカタログ燃費の算定方法を根本から改めなくてはならないと思います。どちらも販売台数が半端でないベストセラーカーなので、このまま達成率が50%未満という状況がずっと続くと、やがて大きな社会問題になってしまうかもしれませんね。

ランサー・フィオーレ1400EL(A156A型)
全長×全幅×全高 : 4105×1590×1350mm
ホイールベース : 2380mm
車両重量 : 820kg
エンジン : 直4OHC 1410cc 82PS

(2012年3月2日記)




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